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腰痛になる前に |
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NO.8 |
トランスファー(移乗介助)のひと工夫2 〜貝塚式移乗方法〜 |
NO.6で、トランス(移乗介助)のひと工夫について書きました。
今回も、トランスファーについての腰痛対策なのですが、
皆さんは貝塚誠一郎という人を知っていますか?
僕はよく知りません(苦笑)。
プロフィールを調べてみますと、今だいたい40歳くらいで、介護福祉士のえらい人、
みたいな感じで書かれています。
で、
職場に置いてある介護の雑誌にこの人の行っている移乗の仕方について書かれていて
それがとても斬新かつ素晴らしいものだったので、ここで紹介させていただきます。
今現在、トランスファーの基本とされているやり方は、
利用者の足と足の間に自分の足を入れて、車椅子なりベッドなりに移乗する
やり方だと思います。もちろん僕もそうやってました。
ですが、貝塚式はこれを否定します。否定と言うと語弊があるかもしれませんが。
貝塚式移乗方法では、利用者の足と足の間に自分の足を入れずに移乗します。
これがまず最大のポイントだと思います。
例えば、全介助で車椅子からベッドへの移乗をする場合、
自分の身体をやや外側にずらし、利用者の進行方法の視野を妨げないようにします。
行き着く場所が利用者に見えていることで、利用者の不安を減らす効果があります。
そして、利用者の、軸にする側の足を一歩前に出し、ベッドへ移乗します。
これは、マヒなどがあった場合に足を巻き込まないようにするためです。
何はともあれこれはやってみないと始まりません。
とりあえず、自分の足を入れて移乗するやり方が染み付いてしまっているため、
足を入れないで移乗するのはとても勇気が要りました。
最初はやっぱり足を入れないということで余計に腰に負担がかかっているように感じて
とてもやりにくかったです。
でもだんだん慣れてくると特に腰に負担は感じなくなりました。
ある利用者の方を例にあげると、利用者の進行方向を妨げないようにすることで、
足に力を入れやすくなったのか、全介助でやったつもりがほんの少しですが立位を
取ることが出来る人がいました。
これには僕もびっくりでした。そして、久しぶりに介護職としての充実感、達成感を味わう
ことが出来ました。
ただ、この貝塚式はとても素晴らしい移乗方法だとは思うのですが、やっぱり
足を入れたほうがいいという人もいます。
例えば、ほとんど足に力が入らない人、
とても重い人(汗)
暴力を振るう人(怒)
怖がる人
固縮の激しい人
などです。
やっぱりセオリーが通用しない人もいますからね。
結論としては、色々なやり方を試してみて、自分なりに試行錯誤を繰り返して
行うのもひとつのやり方なのかなぁと思います。
従来のトランスファーと、今回紹介したようなやり方とを組み合わせてやってもいいだろうし。
それとはまた違った方法を探すも良し、自分独自の方法を編み出すも良し。
要は、常に今の自分の技術を正解と思わずに、新しいものにも目を向けて、
古い技術も生かしながら、良いものがあれば取り入れていく。
こういった姿勢を常に持つことが大事なんだと僕は思います。
その貝塚誠一郎さんですが、
雑誌に連載していたものの他にも、下記の本を書いておられましたので紹介します。
2100円 |
テキストでは学べない
あたらしい介護技術の提案 |
日本医療企画 |
著者:貝塚誠一郎 |
B5 全144ページ |
高齢者の介護業界に18年間携わってきた
貝塚誠一郎さんが、介護現場で考え、編み出し、
行ってきた、
貝塚式の介護技術方法を知ることが出来る本です。
従来行われてきた介護技術とは違う、
新しい介護技術を知ることが出来ます。
「その前提は、介助を受ける人(高齢者・利用者)が楽であり、安心して身を任せられる方法でなくてはいけないということ。
また、介助者も楽で、安心して介助できなくてはならないということです。 〜本文より引用」
今まで僕たちが行ってきた介護技術を見直す上で
とても重要な一冊になると思います。
新しい介護技術方法に興味のある方、
何か良いトランスファーの方法はないかと
探している方などにオススメです。
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