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実録!特別養護老人ホーム |
特別養護老人ホームに勤め始めて8年目。
社会的にも問題になっている介護職員不足。
うちの施設でも人員不足が慢性化しております。でも問題はそれだけじゃない。
そんな老人ホームの実態を自分の経験を通して、コラム形式で語らせていただきます。
※サイト版では加筆修正を加えている場合があります、ご了承ください。
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NO.22 |
年度初めの会議にて 4月 28日 配信 |
僕たち介護職員は、通常の介護業務のほかにも委員会、係り活動といった、
直接の介護業務とは違う仕事を掛け持たなければなりません。
人員不足、人材不足の昨今、日々の介護業務をこなすだけでも精一杯なのに、
その他の仕事にまで手を伸ばさねばならず、息をつく暇がありません。
で、
先日、来年度に向けて、その委員会、係り活動の中でも特に重要な位置を占める
行事委員会と日帰り旅行の来年度の方向性を話し合う会議がありました。
行事と日帰りは他の委員会、係りと比べて職員にかかってくる負担が大きく、
先ほども言ったとおり、人手不足も慢性化している中、例年通りの行事、日帰り旅行を
行うのはどうだろうか、ということです。
僕はもちろん職員が不足している中、無理をしてまで行事や日帰り旅行を企画し、
行わなくても良いと思っていて、他の職員もほとんどがそう思っています。
ですが、ただ一人、課長だけはそうではないようです。
「利用者が楽しみにしている行事や旅行を職員の都合で減らしていいものだろうか。
自分たちは利用者が楽しんでいただけるようなものを常に考え、その為には
どんな労力だって惜しまないでいいじゃないか。」
と、こう言いました。
確かに、利用者のことを第一に考えるのは介護職員として当たり前のことです。
職員がいないからと言って利用者が楽しみにしているものを縮小、削減してしまうのは
僕にとっても悲しいことです。
でも、僕は、職員が無理をしてまで利用者のために尽くすことが最善であるとは
思えません。
僕たち介護職員は「介護」が仕事のはずです。
行事や日帰り旅行も広く捉えれば「介護」のうちかもしれませんが、
通常の業務の中での「介護」をおざなりにしてまでやることではないと思うのです。
ただでさへ人手不足で皆へとへとになって夢も希望もなくしかけて、
それでも何とかがんばっているのに、これ以上どうしろっていうんだって感じです。
課長の言うことは最もだし、そういう利用者に対する思いを今でも持ちつづけている
っていうのはむしろ尊敬すべきことです。
でも、今の僕たちにはそこまでのモチベーションははっきり言ってありません。
あぁ、また前回と同じようなことを書いてしまった…。
内緒ですよ…。
おしまい。
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