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| 実録！特別養護老人ホーム |
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特別養護老人ホームに勤め始めて７年目。
社会的にも問題になっている介護職員不足。
うちの施設でも人員不足が慢性化しております。でも問題はそれだけじゃない。
そんな老人ホームの実態を自分の経験を通して、コラム形式で語らせていただきます。
※サイト版では加筆修正を加えている場合があります、ご了承ください。
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ＮＯ．１６ |
利用者からのプレゼント ３月 １７日 配信 |
２月１４日バレンタインデーの出来事です。
いつものように利用者の方の配茶を行っていたときのこと。
利用者のＡさんが「ちょっとちょっと」と小さい声で手を振って呼びます。
Ａさんは８０歳前後の女性の方で、食事や水分は自力で摂取されるのですが、
それ以外はほとんどの部分で介助が必要な方です。
性格は温厚で話好き、認知症も軽度、声は聞き取れないくらい小さいですが
意思の疎通は出来、まぁ、しっかりした方です。
何だろうと思い近寄って訴えを聞いてみますが、声が小さすぎてよくわかりません。
何度も聞き返してみるとどうやら部屋へ連れて行って欲しいと言っているようなので、
「トイレかな？」と思い（この方いつも排泄は部屋でポータブルトイレなので）、
部屋に案内したのですが、「違う」と手を振ってジェスチャー。
消灯台の引き出しを指さすので、引き出しの前まで連れて行くと、
自ら引き出しを開け、がま口らしきものを取り出しています。
何をするんだろうと思いながら見ていたら、中から千円札を取り出し僕に渡してきました。
そしてまた小さい声で一言、
「今日、バレンタインデーでしょ？だからこれで何か買いな」
胸きゅーん。
で、でも、もちろん職員が利用者から金品をもらうのは現金、いや厳禁ですので、
もちろん断ります。
「いやいやいや。Ａさん、その気持ちだけで充分です。ありがとう。」と、やんわり。
でもＡさんは納得しません。
「黙ってればいいんだよ。誰にも言わないから」と。
その後しばらく押し問答が続き、どうしても引き下がらないので、しょうがなく、
「じゃあ、わかりました。ありがたくいただきます」と、
後で返そうと思いながらその千円札を受け取りました。
そうするとＡさんはうれしそうな顔をし、満足されたようでした。
そしてＡさんを元の席へ戻っていただき、僕は僕の気が変わらないうちに（笑）、
Ａさんからもらった千円札を元のがま口へ戻しておきました。
このように、利用者から金品を渡されるといったようなことがたまにあるのですが、
これはおそらくどこの施設へ行っても少なからずあることなのではないでしょうか？
そして、中には本当にもらってしま介護職員も、いるんじゃないかなぁ。
一度渡してしまえばあげたことすら忘れてしまう利用者もいますからね〜。
職員の側から報告がない限り、こういう話題は表に出ないですから。
でも、そんなことをして手に入れたお金なんて、罪悪感を感じてしまって
僕は使えないですよ。当たり前か。
僕たちは利用者の方からは、「お給料」という形で
毎月お金をちゃんともらっているんですからね！
なんつって。
う〜ん、うまくまとめたな。
おしまい。
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