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| 実録！特別養護老人ホーム |
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特別養護老人ホームに勤め始めて７年目。
社会的にも問題になっている介護職員不足。
うちの施設でも人員不足が慢性化しております。でも問題はそれだけじゃない。
そんな老人ホームの実態を自分の経験を通して、コラム形式で語らせていただきます。
※サイト版では加筆修正を加えている場合があります、ご了承ください。
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ＮＯ．１５ |
いきなりヘビーな話を・・・ ３月 １０日 配信 |
特別養護老人ホームで介護職員として働き始めて早７年。
老人ホームで働いていると、入所しているお年よりの方から色んな昔の話を聞きます。
中にはとても気持ちの重くなるようなヘビィな話もあります。
そしてそれは何の前触れもなく、いきなり話し出すので、聞いているこっちは
心の準備が出来ていない為とてもショックを受けたりします。
今回はそんな、お年寄りから聞いたヘビィな話を二つほど紹介します。
一つ目。
いつもどおりオムツ交換を終えて、夕食へ行こうと車椅子へ移るのを介助している間に
その利用者の方と談笑していたときの会話です。
「お子さんは何人いるんでしたっけ？」と僕が聞くと、
「１人だけだよ。５人産んだけど、残ってるのは一人だ」と言いました。
僕は、「あぁそうだ、この人子供を病気か何かで亡くしてるんだっけなぁ」
と思い出し、その話はそこで止めにしようと他の話題を振ろうとしたのですが、
その人は続けてこう言いました。
「私、子供殺しちゃった（てへ）」と。
いきなりそんなことを言い出すもんだから僕も困ってしまい、
「こ、殺したって、何でまた？」と聞き返すと、
「冬場に布団を掛けすぎたら死んじゃったんだ」「バカだね、私」と返ってきました。
しかも笑って言うんですよ。そんな話を。
僕にも小さい子供がいるので、さぞ辛かっただろうなぁ、自分を責めただろうなぁと
色々深く思ってしまいそのときはかなり凹んでしまいました。
今だからこそ笑って言えるけど、そのときの気持ちを考えたらやりきれないですよ。
長いこと生きていればいろんな辛いことをたくさん経験するでしょうが、
でもこれはメガトン級（死語）の辛い話ですよ僕には。
二つ目。
これはまた別の利用者の方の話。
目が不自由で、耳も遠くて、腰を始め体の節々の痛みから、普段は何もしようとせず
あまり自分から話もしないような方がいまして、でもこちらから話をすれば笑顔が出るので
僕は積極的に話をしていたのです。
で、ある日いつものように話をしようと声をかけると、
その方は僕に、「子供は大きくなった？」と聞いてきました。
そういえば最近何度も子供のことを聞いてきます。
普段は自分から話題を振ってくることも稀だし、僕に子供が生まれたこと覚えていて
それを僕に聞いてくること自体めずらしいことだったので不思議に思っていました。
「もう１歳だよ。子供にね、〇〇さんの写真を見せると笑うんだよ」と
ちょっと嘘をついて話すと、その方も声を出して笑いました。
あるときの会話で、僕の子供が調子悪くて大変だ、病院に行ってるけど
なかなか治らないんだよといったようなことを話したら、
その方は「大変だね。病院変えたほうがいいよ。私の子供は２歳で死んじゃったんだ」
と言いました。
話を聞くと、その方の子供がかかっていた病院での対応が悪くて、それが原因で
亡くなってしまったみたいです。
そんな辛い経験があったから、僕の子供のことを覚えていたのかなと思います。
一つ目の話と負けず劣らずヘビィな話で、しばらくぐっと胸が痛かったです。
本当にいきなり来るんですよそんな話が。
あぁ、思い出しただけでもやるせない。
すいません皆さんも切ない気持ちにさせちゃったでしょうか。
今度はなるべく楽しい話を紹介するようにしますので・・・。
おしまい。
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