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| 実録！特別養護老人ホーム |
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特別養護老人ホームに勤め始めて７年目。
社会的にも問題になっている介護職員不足。
うちの施設でも人員不足が慢性化しております。でも問題はそれだけじゃない。
そんな老人ホームの実態を自分の経験を通して、コラム形式で語らせていただきます。
※サイト版では加筆修正を加えている場合があります、ご了承ください。
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ＮＯ．３ |
人材不足がもたらすもの １２月 １０日 配信 |
今回は、人材不足によって起こる様々な悪循環について書きたいと思います。
うちの施設での人材不足の現状は先日書いたとおりですが、では、
それによってどんな障害が起きているのか、ということを今回は書きます。
人材不足が慢性化しているということは、職員の入れ替わりが激しいということ
イコール、経験年数の浅い職員が多くいることを意味します。
また、入ってくる職員はほとんどが無資格（正職員、パート共にです）、
持っていてもヘルパー２級くらいでしょうか。介護福祉士を持って入ってくる新人を
ここ３，４年見たことがありません。
経験もなく、知識もない職員が多数を占めますので
おのずと利用者に対してあまり専門的なケアが出来ないという現状をもたらします。
自立支援の考え方さえ持っていない（それは最初に教えているはずなのですが、
目の前の業務をこなすだけで精一杯、いつの間にか忘れてしまっているようです）
ため、利用者の出来ることすらこちらで介助してしまいます。
例えば、少しの距離なら歩けるのに車椅子を積極的に使ってみたり、
ボディメカニクスを全く無視した移乗をしてみたり、
排泄もオムツをただ厚くすればいいと思っていたり、
少し慣れてくると、食事介助やオムツ交換などの作業が早い、イコール仕事が出来る
と思ってしまう職員も出てくる始末。これは悲しいかなベテラン職員にもいます。
そんな「無理やり」なやり方をしているので、身体を壊すのも早いです。
そしてすぐに腰痛になり、さようなら、といった具合ですね。
午前や午後の配茶の時間などには、体力的に厳しい方、熱のある方、
拒否のある方以外は基本的には皆さん起きていただいておやつや水分を摂って
いただいているのですが、起きるべき利用者もなぜかベッド上でおやつ水分を
あげていたりします。よって食事以外は一日中寝たきりです。
そんな状況ですので、身体が固くなり拘縮が始まります。
廃用症候群のオンパレードです。
また、リスクマネジメントの概念も持っていませんので
（ヒヤリハットの書式はありますがあまり活かされていないようです）、
転倒、転落が毎日のようにあり同じ間違いを何度も繰り返します。
このような結果、利用者のＡＤＬは徐々に低下していき、そして
それによって業務量も増え、介助量も増え、仕事がより大変になっていき、
やる気のある職員も徐々にやる気をなくしていくという悪循環が生まれます。
書いていてだんだんまとまりが無くなってきましたのでこの辺で終わりにしようとは
思いますが、人材が不足していることによって、様々なところに悪影響が出来て
いることがわかっていただけたかと思います。
今の僕は、こんな現状をなんとか打破しようと、日々頭を悩ませている状態です。
そのためには職員一人ひとりのベクトルを同じ方向へ向けなくてはいけないので
それはそれで時間がかかる作業なのかなとか思ってみたり。
要は、意識改革ですね。それはまた今後詳しく取り上げていきたいと思います。
今日はこのへんで。
おしまい。
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